DMG GH2動画について

このカメラはかなりの実力であることは分かった。
もちろん静止画も素晴らしいが、動画がもっとすごい。あぁ、また動画をアップするのを忘れている…。
このカメラ、マニュアルで操作する限り殆どのビデオカメラマンが操作に戸惑うことはないと思う。アイリスからホワイトバランスまで、従来の業務機クラス以上の事が当たり前に出来るのだ。
しかしビデオカメラ出身の人にとって、ISO感度辺りは知識に乏しい人が多い。○EVと言う単位だとある程度分かるかも知れないが、それでもビデオカメラの感度とスチールカメラの感度では感覚的に全く異なるものである。実際私も使っていて、従来型のビデオカメラが+3dbと表示されている時に、はたしてGH2の感度が一体どれ位なのかというのは正直難しかった。
勿論頭の中には、ある程度変換表が作成されている(気がする)ので特に不便は感じなかったが、結構戸惑うカメラマンは多いのではないかなぁ。
また、GH2に限らず民生用のビデオカメラ機は概して明るめに評価する。別に明るめが悪いのではなく、これが放送用と言う括りになった時に非常に困るだろうなと言うのが使ってみての実感だ。
GH2の場合、常に-1EV低めに設定しておかないと、放送局に納品する時に跳ねられてしまう輝度なのだ。これは余りにも明るすぎる。勿論あとから編集ソフトで範囲内に収めれば何ら問題はないのだが、出来れば最初から『期待値=何にもしないで放送に耐えうるバランス』になれば言うことはない。

ここら辺はある程度職人の勘で「エイヤッ」で行けるとは思うのだが、職人に成れば成る程勘に頼らないのだ。むしろ冷静に評価してくれるベクトルスコープとウェーブフォームが頼りになるので、もしPanasonicの人がこのブログを参考にしてくれるのなら(まぁ有り得ないが)、今後の製品作りに反映させてくれるととても嬉しい。私のように零細ビデオも撮る会社員にとっては死活問題だから。



それにしてもSONYのNEXシリーズには改めてガッカリさせられた。出てくる絵は別としても、使い勝手に関しては「この人(開発した人ですね)は、一体どれ位現場を踏んだんだろう?」と言うのがパッと触った後の感想である。
本当に出てくる絵は、『3板』並の絵を出してくれる。だけど本当に現場に必要なのは「今カメラがどういう状態に置かれているのか?』という事が瞬時に判らなければならないのだ。
このカメラの最大の欠点は、『メニューの階層の深さ』にあると思う。そして本当に撮影者が求めている必要情報がモニターに表示されないのだ。勿論GH2もロクに表示はされていないが、その代わりと言っては何だが、ボタンやらダイヤルがその代わりをしてくれている。恐らく多くのカメラマンは『ダイヤル、若しくはボタンの位置』で現状を把握し、来るべきトラブルにいつでも対処出来る様にしていると思われる。もちろんGH2とて完璧ではないが、ある程度は分かる。

ムービーデジカメをこれから更に発展させていくためには、

  1. 感度表示の切り替え
  2. ボタンなどの『今どの状態か』を暗いところでも撮影者に認識させる表示方法
  3. 撮影時間だけでなくフレーム数の表示

以上3点が最低限必要になってくると思う。

スチールカメラとビデオカメラ。以前は全く相受け入れない物であったが、ミラーレスのカメラがごく当たり前になってきた今、シームレスな環境整備が急務であると実際に現場で使用してみて思った次第である。